ご挨拶

教授 神出 計私は、平成25年4月1日付けで大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 総合ヘルスプロモーション科学講座(ヘルスプロモーションシステム科学研究室)の教授に就任し、現在10年目を迎えています。この間に当研究室で学んだ50名以上の方々が、博士号・修士号を取得され、大学や研究所などのアカデミック職、行政、医療・介護・福祉の現場、さらにはヘルスケア産業などで大いに活躍をされています。研究室を主宰するものとして望外の喜びに感じています。

私は平成2年に高知医科大学を卒業後、大阪大学医学部老年病医学講座に入局いたしました。阪大病院、大阪府立成人病センター第1(循環器)内科(現:大阪国際がんセンター)で臨床研修を行った後、高血圧研究室で心肥大や動脈硬化など高血圧合併症の成因に関わる研究に従事いたしました。現在では糖尿病やメタボリックシンドロームの基礎病態として大変重要と考えられているインスリン抵抗性が、高血圧による心肥大や動脈硬化に関与することを臨床と基礎研究により明らかにすることができました。さらにその機序として組織レニン・アンジオテンシン系が深く関わることを留学先のUCLAで研究し、報告いたしました。帰国後は当時ミレニアムゲノム・プロジェクトが開始されていた国立循環器病研究センター高血圧・腎臓内科に赴任し、臨床を行う傍ら、研究所の先生方と共同で新規高血圧関連遺伝素因を複数明らかにいたしました。平成21年に大阪大学に帰局し、健康長寿の要因を解明するため、人間科学部、歯学部の先生方、さらには東京都健康長寿医療センター、慶応義塾大学と共同で高齢者を対象にした長期縦断(SONIC)研究を開始しました。本研究は開始から10年以上を経過した現在も続いており、今後の高齢者医療の目指す方向性や自立した健康長寿の高齢者を増やすことにつながるエビデンスを世界に多数発信する高齢者コホート研究へと発展しました。さらに私共の研究室では、在宅医療コホート研究(OHCARE)や地域介入コホートである能勢健康長寿研究、さまざまな自治体などとの共同研究を通じて地域ヘルスプロモーション研究を多く展開しております。

今後ますます超高齢化が進む中で、私共が行うべきことは、我が国の医療・介護・福祉分野において中心的な役割を担っていく研究者、医療専門職を育成し、超高齢社会における保健学の進歩に貢献できる研究を行っていくことに尽きると考えています。ぜひこのような研究に興味のある方は我々の研究室を訪ねて来て下さい。よろしくお願いいたします。

令和4年4月1日
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 専攻長
統合保健看護科学分野 総合ヘルスプロモーション科学講座
教授 神出 計

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