臨床MRIを使って人(主に正常被験者)を対象にした研究をしています。
MRIのT2値測定、拡散強調画像を使い、老廃物の排出経路を明らかにすることを目的としています。
筋肉線維の方向、太さ、筋肉内の組成をMRIの拡散強調画像で調べることを目標にしています。
双子の方々の脳画像を解析し、遺伝子やエピゲノムが脳の形態および機能にどのような影響を及ぼすかを調べています。
膀胱のMRI信号、パーキンソン病患者のMRIによる解析等を行っています。
脳脊髄液は従来脈絡叢で作られ、脳室・脳槽を経由して、くも膜顆粒から静脈に戻るという説が有力でした。しかし長年信じられてきたこの説に代わり、近年glymphatic systemという仮説が有力になってきています。この説では、脳脊髄液が脳実質内を灌流しその際に老廃物を流し出すと言われています。老廃物の蓄積はアルツハイマー病などの神経変性疾患と関連があると予想され、高齢化社会が抱える問題と密接な関係があると考えられます。
また動物実験では睡眠時にglymphatic systemが盛んになると言われており、睡眠の機能、不眠が健康に与える影響と言う点でも興味があります。
我々は臨床用MRI装置を用いて、老廃物排出と関係すると言われるT2値測定、拡散強調画像撮影を行っています。
高齢になると筋肉量が低下し、活動性が低くなり、ますますの筋肉量の低下と場合により認知機能の低下を来すと考えられています。
良い筋肉を効率よく作るためには、リハビリなどの治療の介入が必要ですが、その前提として筋肉を客観的に評価する必要があります。我々はこの評価のためにMRI撮影を使うことを目指しています。具体的には、GEヘルスケア・ジャパン株式会社様のご協力を得て、MRI撮影のプログラムそのものの変更を行い、特殊な拡散強調画像により筋肉の性質を観察しています。
大阪大学大学院医学系研究科には、ふたごのご本人、ご家族の情報共有および研究を行うツインリサーチセンターという機構があります。ふたごの方は、遺伝子の全体あるいは半分を共通し、環境の点でも幼少期は共通している部分が多いために、青年期以降の環境の健康への影響について貴重な研究対象となります。
当研究室ではふたごの方の脳画像より、遺伝子やエピゲノムが脳の形態および機能にどのような影響を及ぼすかを調べています。