曽我部先生追悼文01


 

「医短名誉教授 曽我部 秀一 先生を偲ぶ」

 

 

X8  雄川 恭行

 

私事で恐縮ですが、1977年阪大病院から創設中の滋賀医大に転勤し、1993年定年まで同付属病院にお世話になりました。当時、小水 副技師長は(医短3)学生時代に画像ゼミで曽我部 秀一教授にお世話になっていたことが縁で、彼の肝煎りで曽我部先生を滋賀医大技師室の画像勉強会に毎月ご足労いただくことになったのです。

そのネタ本は(誠に失礼ながら著者名を失念)英文のIMAGE  SCIENCE 1975年版だったようです。何しろ翻訳しながらの学習だったのでしたが、曽我部先生が極めて平易に解説していただいたので、何とかついて行けると言った状態でした。それまでは、画像と言えば画像解析、画像解析にはresponse 関数・・・と言ったワンパターンが普通でしたが、

IMAGE SCIENCE では画像の成立過程にも力点が置かれていたせいか、記憶の中には例えば分子のarray,とかcascadeと言った用語が度々文面に登場し、理解に四苦八苦し、自分の学力の無さに恥ずかし思いをしたことが忘れられません。その思いを和らげてやろうとでも気遣って下さっているかのように、勉強会後は好物の宇治の白酒(月の桂)を手土産にご持参になり、楽しい歓談に移ったものでした。思えばそれから、30年余の歳月が流れ、久しく先生とお会いする機会に恵まれずにいましたが、昨2013年先生が他界されたことを伺い、何の恩返しもできず今に至った不明をお詫びし、今となっては、あの温かく優しかった先生の横顔を想起し、先生のご冥福をお祈りするばかりです。