令和3年4月1日付けで、総合ヘルスプロモーション科学講座教授に就任いたしましたので、ご挨拶申し上げます。

私は大阪大学医学部保健学科看護学専攻、同大学院博士前期課程を本学の第1期生として修了いたしました。その後2000年度フルブライト奨学生として米国オレゴン大学教育学部修士課程を卒業し、帰国後は行政保健師として約9年間の現場経験を積んで参りました。2012年度に本学地域看護領域(現神出研究室)助教に着任してからは、行政とのネットワークを活かし、我が国の喫緊の課題である生活習慣病発症予防・重症化予防および介護予防を主軸として、地域包括ケア時代に求められる看護の実践や、地域保健対策に貢献するエビデンス構築を目指した研究と教育を進めてきました。さらに、これら地域における研究ノウハウや知見を統合させ、2020年度から産官学で取り組む能勢町健康長寿プロジェクトを特任准教授としてつくりあげてきました。

この度、基礎看護学領域教授を拝命し、教室名を包括看護科学教室として、看護学・保健学の新たな発展へと進むべく取り組んでいます。全世代を対象に、病院と地域、制度の隙間、人と人、コミュニティ同士を「つなぐ」をキーワードとして、また領域横断的な研究を展開することによってたくさんの点と点をさまざまな次元で結びつけ、創造性のある研究を行っていきます。

地域包括ケア時代において医療職に求められる役割は益々増大しています。先を見通し社会課題を解決していく発想に加えて予防的な視点を持つこと、求められる役割を模索しつつ、さらに幅広く自ら役割を創出し社会の変化に対応することが今後の医療専門職には重要であると認識しています。そのためにも、科学的思考のできる優れた人材を育成することを目指し、大学院への進学や国際発信を積極的に支援していきたいと考えています。そのような観点から看護基礎教育を行い、研究活動の機会を提供することで、よりよい社会の実現に貢献できる人材を多く育成できるよう精一杯尽力していきたいと思います。今後とも皆様からのご指導ならびに暖かいご支援を是非頂けますよう、心よりお願い申し上げます。

令和3年4月 包括看護科学研究室 樺山舞