研究内容

 脳卒中モデル動物を用いた脳修復機構の研究

 脳は常に酸化ストレスや虚血、炎症によるストレスにさらされ、脆弱な神経細胞の生存がおびやかされている。神経細胞を保護し助けるグリアが様々なストレスによる神経傷害を軽減し、神経修復・再生の鍵を握る。脳卒中梗塞巣の変性過程で一過性に現れる神経幹細胞に注目し、脳の修復機構の解明を目指す。変性/修復過程における血管変性・再生と、神経細胞・グリア細胞の新生・分化・生存の機構を解析する。

 軸索ガイダンス因子セマフォリンの中枢神経系の髄鞘形成における役割

中枢神経系における髄鞘形成の遅延は小児の精神・神経発達遅延をもたらし、その変性が統合失調症などの様々な神経精神疾患の病態に関連することが示されている。私達は、セマフォリン分子の髄鞘形成への関与と分子機構を解析する。

 髄鞘形成関連シグナル分子RhoGEF10の細胞骨格制御の分子機構

RhoGEF10は細胞骨格を制御する低分子GTP結合蛋白質Rhoの活性化分子で髄鞘形成に関わる。同分子の細胞内物質輸送・細胞極性における役割、細胞運動制御への関わりを解析する

 寿命・老化関連インシュリンシグナル転写因子の脳と血管系における機能

インシュリンシグナル転写因子が無いと血管新生が上手くいかず、胎生致死になる。同因子の血管新生における機能について解析する。また、覚醒剤による神経細胞の遺伝子発現変化への同分子の介在について解析する。