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代表者ご挨拶

三善先生

ようこそ、ボーダレスデザイン医学研究センターのホームページを見ていただき、ありがとうございます。保健学科の歴史と本研究棟の位置付けについて、簡単にご紹介させていただきます。

本研究棟は、保健学科設置20周年メモリアルホールとして、平成28年8月に設立されました。医学部保健学科は、平成5年に4年制の学部として発足し、平成10年からは大学院博士前期課程(修士)、平成12年からは大学院博士後期課程(博士)が設置されています。現在までに、4,000名以上の学生が卒業し、1,600名以上の修士号または博士号を持った学生を世の中に輩出しています。こられの歴史と数字は、大阪大学医学部保健学科が我が国の保健医療大学としてのまさにパイオニア的存在であり、この領域のトップランナーであることを如実に物語っています。

平成26年7月に、大阪大学医学部保健学科設置20周年記念式典を開催しました。その式典では多くの方々より素晴らしいお話を拝聴し、保健学科20年間の歴史と伝統の重みを改めて感じました。そして、我が国トップレベルの保健学科を作って来られた教員と卒業生の皆様に対する尊敬と感謝の気持ちは、筆舌には尽くせません。歴史というものは、人間だけの力で形作られるものではなく、ある程度はその時の時代の流れから生まれるものだと思います。これに対して伝統というものは、まさに人間の力で作られるべきものであり、組織の団結力によって熟成されるものです。ボーダレスデザイン医学研究センターは、こうした保健学科20周年の歴史と次世代の保健学科の架け橋となる研究センターとして設立されました。

その主な趣旨は、保健学専攻との共同研究を基盤とした産学連携による次世代医療の実現を目指すものです。今後40年間で、我が国は高齢者の急増、全年齢に亘る単身世帯の増加、かつ生産年齢人口の急減を体験するでしょう。すなわち人手・熟練技術に頼る健康保持、医療提供体制の早急な見直しが必要となります。これは世界的にも共通かつ深刻な課題であり、この問題への画期的なソリューションを研究、提案、実現することは、学術・社会両面において国際的にも大きく貢献することを意味します。次世代型医療のモデルとして保健学専攻が目指すものは、超高齢化社会に向けた介護研究と、非侵襲的で医療経済的にもヒトに優しい医療でしょう。そのためにも、多様なバックグラウンドをもつ保健学専攻の教員の特色を活かし、医学・看護学・工学・薬学・法学等多様な領域とボーダレスな共同研究が重要となります。

今、大阪大学全体として、OUマスタープラン2027が大きな目標になっています。OUマスタープランに掲げる「社会を創造する」大学活動の中で、本研究センターは、まさに中心的な役割を担えるポテンシャルがあります。従来の産学連携のスタイルをエコシステムへとパラダイムシフトさせ、新たな社会的価値の創出を目指した保健学専攻からのイノベーションが期待されます。さらに企業側も研究者、機器開発者のOn the Job Trainingシステムとして共同研究を理解し、研究開発とともに人材育成システム構築にも協力体制をとる準備もできています。本センターでは、異種領域の研究者の協働、企業連携による教育研究等、日本で唯一、世界に伍するボーダレスデザイン拠点を実現することになるでしょう。また2021年度から保健学専攻で始まったIHDi(Integrated Health Design initiative)構想にも直結するものです。

平成29年10月には、大阪大学の各部局長をお招きして竣工式を行いました。西尾章治郎総長はご祝辞の中で、ボーダレスデザインという名前を大変褒めてくださいました。まさに保健学科の将来を拓くキーワードの一つと思います。私たちはOUマスタープランに則ったより多くの学科ならびに企業からの共同研究の参画を期待しています。最後になりましたが、本研究センターをご寄附いただきました「癌免疫研究所」関連の皆さま、並びに設置当初から尽力を惜しまなかった関係者の皆さまに、深く御礼申し上げます。

三善 英知