検査医学は患者さんを計測し、診断・評価に寄与する科学で、現代医療の根幹を担っています。血液といった検体のみではなく、脳・神経・筋肉の電気活動といった生理現象も測定対象です。臨床神経生理検査は、患者さんに実際に触れて検査を施行します。そのような立場から、いわゆる検査医学から一歩進んで患者さんを「ヒト」ではなく、コミュニケーションを大事にしながら「人」としてはかることにも取り組んでいます。 とくに希少難病の領域では、患者さんのリアルワールドデータの蓄積は、治療薬開発などでも欠かせない重要なデータとなります
神経筋の難病には遺伝的な原因により発症するものが多くあります。周期性四肢麻痺、非ジストロフィー性ミオトニー症候群、筋強直性ジストロフィーなどのイオンチャネルの異常を伴う疾患を中心に希少神経筋難病の診断、新たな原因遺伝子の同定、DNA/RNAレベルでの疾患メカニズムの解明に努めています。 また、重症筋無力症といった、いわゆるメンデル遺伝を取らない孤発性疾患についても、感受性遺伝子など遺伝学的解析を個なっています。
チャネル病の患者さんから新規の変異が見出された場合、その変異が病気と関係する変異なのかは不明です。それを明らかにするためにパッチクランプ法などの電気生理学的手法を用いて変異チャネルの機能を解析し、さらにそのデータをもとにコンピューターシミュレーションを行うことで、その変異が患者さんの症状の原因であるかどうかを検証しています。また、近年注目されている、リンパ球など非興奮性細胞に発現するチャネルや受容体に注目し、神経筋免疫疾患におけるそれらの関与について、研究を進めています。
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