研究について

共同研究

大阪重粒子線センター

概要

世界最小サイズの重粒子線治療装置による大阪初の都心型重粒子線がん治療施設です。隣接する大阪国際がんセンターとの連携により、総合的ながん治療を提案できるように設立されました。まだまだ、未知の領域が多い重粒子線生物学研究を大阪大学と共に研究しています。

共同研究者

  • 藤元 治朗(センター長)
  • 金井 達明(副センター長)
  • 高階 正彰(医学物理士)
  • 坪内 俊郎(医学物理士)
  • 濵谷 紀彰(医学物理士)

重粒子超高線量率照射法の確立

  • 趣旨

    超高線量率照射(> 40 Gy/sec)により正常組織反応を抑制できる現象が注目されています。この現象を「FLASH効果」と呼び、従来の放射線治療の概念を大きく変える可能性を秘めています。そのメカニズムとしては、現在臨床に用いられている線量率(< 0.1 Gy/sec)に比べ、超高線量率で照射を行なった場合、腫瘍細胞と正常細胞での細胞の酸素消費、DNA応答、組織の免疫応答などが異なり、正常細胞へのダメージが軽減されると報告されています (Vincent Favaudon et al. Sci Transl Med., 2014) 。これまでの報告は、電子線での実験が主ですが、近年では陽子線を用いた実験も盛んに行われています。しかしながら、重粒子線を用いた超高線量率照射が、上述の様な効果を発揮するか否かは分かりません。本共同研究によって、照射系の確立、そして細胞実験を行い、重粒子線の超高線量率照射が細胞にどのような影響をあたえるのかを、研究しています。

    超高線量率で重粒子線が照射される様子

    目に見えない放射線を可視化している様子

    細胞を照射している様子

  • 期待される効果

    超高線量率での瞬間照射となる為、治療時間が大幅に短縮されます。また、体動による照射標的の動きに強くなります。更に、正常組織でFLASH効果がみられると、正常組織と腫瘍組織との放射線感受性の差が増大し、治療効果比が通常照射よりも増加することが期待できます。

  • 取得した研究費

    • 2022年度 基盤研究(B)「難治性癌に対する超高線量率炭素イオン線照射を用いた免疫放射線療法の開発」
    • 2022年度 基盤研究(C)「炭素線におけるFLASH効果の解明」

株式会社M.T.3.

概要

株式会社M.T.3.が製造するSQAP(製品名:レブリチン)は、海洋生物由来の天然物から発見された新しいタイプの放射線増感剤です。現在、獣医学領域にて、研究開発と共に治験が進んでいます。そして今後、ヒトへの応用を目指し、本研究室と共同研究を開始しました。

共同研究者

株式会社M.T.3.

研究テーマ:レブリチンと放射線併用による免疫への影響

  • 趣旨

    放射線照射によって、細胞の免疫応答が惹起されることが知られてきました。その惹起に、放射線増感剤を併用することで免疫に対する効果が増強されるか否かを検討する事を目的としています。

  • 期待される効果

    放射線免疫療法により、遠隔に存在する腫瘍の縮退効果(アブスコパル効果)が増強する報告がなされており、レブリチン併用によりさらにアブスコパル効果の増強が期待されます。ヒトにおける遠隔転移抑制効果がみられれば、現在治療できない症例の治療も行える可能性があります。