大阪大学医学系研究科保健学専攻
医療技術科学分野 生体物理工学講座
放射線治療生物学研究室
教授 高橋豊
2024年4月1日付けで生体物理工学講座 放射線治療生物学研究室の教授に着任しました。
「放射線を照射する」と言えば「怖い、危ない」といったイメージを持たれるかもしれませんが、技術の進歩により、がんだけに集中して照射ができるようになりました。 また、放射線と相性の良い薬剤と工夫をしながら組み合わせることで、がん治療の中で放射線治療の役割は益々重要になり、治療成績の向上に貢献しています。これは、放射線治療技術学、医学物理学、放射線生物学、そしてそれらの技術や科学的エビデンスに基づいた臨床試験による新たな知見の取得など、様々な分野の進歩とその融合の賜物ともいえます。私たちの研究室では、保健学科医学物理学研究室や医学科放射線治療学教室と密に連携を取りながら研究を行い、がん患者さんの治療成績向上を目指しています。また、兵庫県粒子線医療センターと連携大学院協定、米国Beckman Research Institute of City of Hopeと連携協定を締結するなど、国内外の様々な施設で研究を行う機会もつくれます。最先端の研究を行い、学会発表や英文の国際医学雑誌に自分の名前を残すことができる機会を提供します。
また、私たちの研究室は、がんプロフェッショナル養成プラン医学物理士養成コースにも密接に関与しており、診療放射線放射線技師のみならず、高度専門職ともいえる医学物理士の養成にも力を入れています。
私は、大学院時代の保健学科分子病理学研究室での研究、放射線治療の現場での実務、米国での研究者生活、放射線治療分野での助教としての研究・教育、行政機関での仕事など、様々な世界を経験してきました。振り返ればどれもとても刺激的な毎日でした。皆さんには、診療放射線技師はもとより、様々な選択肢やチャンスがありますので、将来刺激的な日々を過ごせるように一緒に歩んでいきたいと思います。