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研究内容

1.WT1ペプチドワクチン効果増強、およびその基礎となる基盤研究

1.WT1ペプチドワクチン効果増強、およびその基礎となる基盤研究
我々は、多くの癌に発現するWT1が癌免疫療法の標的抗原になることを世界に先駆けて見出した(Oka et al. J. Immunol. 2000; Oka et al. Immunogenetics. 2000)。その成果をもとにWT1ペプチドワクチンの臨床試験を行い、WT1を標的とした癌免疫療法の抗腫瘍効果を示してきた(Oka et al. PNAS 2004; Oka et al. Curr. Opin. Immunol. 2008; Tsuboi et al. Leukemia 2010; Hashii et al. Front. Oncol. 2020など)。ヒトの検体やマウスモデルを用いて癌抗原特異的免疫応答メカニズムを解析することにより(Morimoto et al. Cancer Sci. 2012; Morimoto et al. Oncotarget 2018; Yokota et al. Neuro-Oncol. Adv. 2021など)、その癌免疫療法の強化を目指している。

2. 高い抗腫瘍効果を発揮できる新規高機能T細胞療法の開発

1. T細胞分化制御遺伝子の探索と強力な新規T細胞療法への応用

T細胞分化制御遺伝子の探索と強力な新規T細胞療法への応用
T細胞分化制御の候補遺伝子を探索し、その遺伝子のT細胞における働きを解明することで強力な新規T細胞療法の開発を目指す。これまでに、ビタミンA代謝シグナルがメモリーT細胞の標的になることを報告し (Fujiki, Morimoto et al. Front Immunol. 2022)、T細胞分化制御を新規T細胞療法に応用できる可能性を示した。

2. High-avidity TCRの単離とTCR-T細胞療法への応用

High-avidity TCRの単離とTCR-T細胞療法への応用
我々は独自に、GFP発現を指標としてTCR avidityを評価できるプラットフォーム細胞 (2D3細胞)を作製した (Morimoto et al. Oncotarget. 2018)。2D3細胞はHLA class I拘束性WT1特異的TCRのみならず、HLA class II拘束性WT1特異的TCRのavidityも簡便かつ正確に評価できることを明らかにした(Fujiki, Morimoto et al. Cancer Immunol Immunother. 2023)。2D3細胞を用いて単離したTCRのTCR-T細胞療法への応用を目指し、研究を進めている。