お知らせ
プログラム終了にあたってのご挨拶
大阪大学医学系研究科保健学専攻看護科学分野(医学部保健学科看護学専攻)において、平成18年度から3年間にわたって取り組んだ現代GPは平成21年3月をもちまして終了の運びとなりました。
現代GPの取り組みの内容は大きく4つに分かれておりました。
第1に、1年から4年の各学年において、「子どものこころの発達」や、その「こころの発達に課題を持つ子どもの特性」を理解し、その「援助方法を学ぶ」ことです。これについては新入生の合宿に始まり、様々な授業の中で取り組んでまいりました。
第2に教員自身がいろいろな学外での研修に参加し、スキルアップを図ることです。これについては発達障害支援の先進地域である米国のノースカロライナ州においてTEACCHセミナーへの参加や小児支援センターの見学を行うとともに、イギリスの発達障害支援グループの研修や懇談、診断および支援スキルであるADOSやRDIの研修、国内でのTriple-Pの研修、などさまざまな研修に参加し、学習への強い刺激を受け、また各地の様々な支援者との交流をすることができました。
第3に地域連携活動で、関連の方々にご参加いただいて勉強会を実施するとともに、一般公開の講演会を開催いたしました。
第4に教材の開発です。これはこれまでに取り組んだ授業や講演会を録画して、e-larning教材として、作成いたしました。このようなこれまでの活動を元に、今年度はこころの発達とその障害の支援方法を学ぶための教科書を作成いたしました。今後この教科書を用いて、さらに教育や地域連携の取り組みを発展させていきたいと考えております。
最後になりましたが、3年間の取り組みを通じまして、ご講演をいただいたり、また様々なご助力・ご支援を頂いた大阪大学の学内組織・多数の自治体関係機関・支援センター・支援組織・当事者家族組織の皆様にこの場を借りて深く感謝申し上げます。
今後とも本専攻の取り組みにご指導・ご助力いただきますよう、お願い申し上げます。
保健学専攻 現代GPワーキング一同
リポート
平成20年度 大阪大学医学部保健学科 現代GP発達障害シンポジウム
地域連携の中での発達障害支援(日本、韓国、米国)を開催いたしました
日時:平成20年8月31日(日)12時25分〜17時00分(受付12時から)
場所:千里ライフサイエンスセンター(5階)「ライフホール」
(大阪府豊中市新千里東町1丁目4−2)
対象:発達障害児・その家族への支援者(医師、保健師、保育士、教員、その他)
プログラム
1. |
基調講演
発達障害研究の潮流
大阪大学医学系研究科 子どものこころの分子統御機構研究センター
特任教授 谷池 雅子
自閉症スペクトラム障害(ASD)の疫学 〜過去・現在・未来
エール大学医学部 小児研究センター
准教授 ヨン・シン・キム |
(2.98MB) |
2. |
地域連携のとりくみ(日本、韓国、米国)
大阪大学・堺市5歳児発達相談の取り組み
大阪大学医学系研究科 子どものこころの分子統御機構研究センター
加藤 久美
神戸市との親子支援教室
神戸大学大学院 保健学研究科
教授 高田 哲
韓国における発達障害の子どものサポートシステム
韓国小児社会発達研究所
所長 ユン・ジョー・コー
米国(イリノイ州)における発達障害支援の現状
イリノイ大学小児精神保健発達神経科学研究センター長・精神科教授
ベネット L. レーベンタール
|
主催:大阪大学医学部保健学科 現代GPワーキング
共催:大阪大学医学系研究科子どものこころの分子統御機構研究センター
医学部保健学科 現代GP 講演会 テーマ“高機能自閉症/アスペルガー障害の生徒のストレスに対するTEACCHアプローチ”を開催いたしました
"TEACCH Approaches to Reducing Stressin Students with High Functioning Autism/Asperger Syndrome."
日時:平成20年1月30日(水)午後5時〜7時
場所:保健学科 第1講義室
対象:発達障害支援に関心のある教員・院生
ジョン・ドガテイ博士 John M. Dougherty, Ph.D.
Professor of Psychology in Psychiatry, Clinical Director, Greenville TEACCH
University of North Carolina, Chapel Hill
主催:大阪大学医学部保健学科現代GPワーキング
ジョン・ドガテイ博士は、ノースカロライナ大学医学部精神科の心理学教授であり、ノースカロライナ州グリーンビルTEACCHセンターの所長として、発達障害児の支援のために活躍されており、スウエーデンなどの外国でも、積極的に指導を行っておられます。
TEACCHとは、「自閉症及び関連するコミュニケーション障害の子どものための治療と教育(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildren)」のそれぞれの頭文字をとった造語で、エリック・ショプラー(Eric Schopler)博士によって創案され、米国ノースカロライナ州全体で展開されている支援施策です。TEACCHにおいては、乳幼児期の早期発見から学齢期、青年・成人期の生涯にわたった支援が盛り込まれています。
今回の講演では、自閉症児の、特に思春期から青年期にかけての課題に対する援助、先進地域での取組についてお話をしていただきました。
講演へは、医師、心理士、看護師、教員など自閉症児の支援に取り組まれている方、大阪大学保健学科の学部学生・大学院生・教員など、多数の参加がありました。
大阪自閉症研究会 講演会“思春期〜青年期の自閉症児への支援”を開催いたしました
日時:平成20年1月29日(火)午後7時〜9時(受付 午後6時30分〜)
場所:大阪大学中ノ島センター 10階メモリアルホール
対象:医師、心理士、看護師、教員など自閉症児の支援に取り組まれている方
ジョン・ドガテイ博士(通訳あり) John M. Dougherty, Ph.D.
Professor of Psychology in Psychiatry, Clinical Director, Greenville TEACCH University of North Carolina, Chapel Hill
主催:大阪自閉症研究会
後援:大阪精神科病院協会、大阪精神科診療所協会、大阪小児科医会
*講演会の詳細についてはこちらをご覧ください。
公開講演会「現場に役立つ発達障害支援の実際〜気になる子どもと保護者への関わり方〜」を開催いたしました
日時:平成19年10月28日(日)午後1時30分〜4時30分(受付1時から)
場所:千里ライフサイエンスセンター(5階)「ライフホール」
プログラム
1. |
大阪大学医学部保健学科における現代GPへの取り組みの紹介
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 特任講師 酒井佐枝子 |
(1.65MB) |
2. |
招待講演
「発達障害児と家族の支援:夏期治療プログラムから学んだこと」
久留米大学医学部医学科小児科学 准教授 山下裕史朗先生 |
3. |
パネルディスカッション
「発達障害児を持つ保護者への支援:その気づきと障害受容について」
【司会】永井利三郎、酒井佐枝子
【パネラー】
医師の立場から 山下裕史朗 久留米大学医学部医学科小児科学准教授
療育の立場から 谷岡とし子 北摂杉の子会アクトおおさか副センター長
教育の立場から 上好 功 関西特別支援教育ネットワーク代表
親の立場から 内藤 孝子 全国LD親の会副会長 |
主催:大阪大学医学部保健学科現代GPワーキング
大阪大学現代GPの取り組みであります「親と子の心を支援できる人材育成教育の構築」の一環として、昨年度に引き続き、発達障害を持つ子どもと保護者への支援のあり方を、現場で活躍されている支援者の皆様と共に考えるための公開講座を開催いたしました。(参加人数:約250名)
公開講演会「気になる子どもの早期発見と対応」を開催いたしました
日時:平成19年10月14日(日)午後2時〜5時(受付1時30分から)
場所:大阪市総合医療センター「さくらホール」
プログラム
1 |
地域での早期発見・対応の現状と課題
〜就学前から就学後への連携を中心に〜
岸和田市保健福祉部 心理士 立田幸代子様 |
(1.14MB) |
2 |
通園施設での取り組みと課題
こどもデイケアいずみ 保育士 澤井真理様 |
3 |
広汎性発達障害児への対応のポイント
あいち小児保健医療総合センター 医師 東誠様 |
主催:大阪小児科学会
共催:大阪小児科医会、大阪小児保健研究会、大阪大学医学部保健学科、現代GPプログラムワーキング
大阪小児科学会では、毎年、日本小児科学会の呼びかけで、「子どもの健康週間」を設定し、「子どもの健康」をテーマにした講演会を企画しております。今年度は、昨年と同様に「発達障害を持つ子どもと家族への支援」をテーマに取り上げ、シンポジウムを行いました。(参加人数:約300名)
「現場に役立つ発達障害支援の実際」を開催いたしました
日時:平成19年3月4日(日)午後1時〜4時
場所:大阪大学中之島センター(10階 佐治敬三メモリアルホール・7階 講義室)
主催:大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻・大阪大学医学部保健学科
共催:大阪大学医学部 子どものこころの発達研究センター
講演会は、大阪大学保健学科学部学生の単位授業のひとつという位置づけもあり、学部学生77名を含む、医療・保健福祉・教育従事者など計286名の参加がありました。会場では参加者による活発な質疑がなされ、各分野の関心の高さが示された形で講演会は終了しました。
一般参加者アンケートの結果はこちら(281KB)
「わかってほしい、ぼくのこと」
高機能広汎性発達障害児のこれから(幼児、学童を中心に)を開催いたしました
日時:平成18年10月22日(日)午後2時〜5時
場所:大阪市立総合医療センター「さくらホール」
司会:永井 利三郎(大阪大学 医学部保健学科 教授)
谷池 雅子(大阪大学 医学部 子どものこころの発達研究センター 教授)
岡本 伸彦(大阪府立母子保健総合医療センター)
主催:大阪小児科学会
共催:大阪小児科学会、大阪小児保健研究会、大阪大学子どものこころの発達研究センター大阪大学医学部保健学科 現代GPプログラム実行委員会