当研究室では、大きく3つのテーマを柱とした研究活動を行っています。
1)健康な地域づくり推進と介護予防の研究
2)生活習慣病の発症予防および重症化予防に向けた研究
3)地域包括ケアの充実を目指した研究

健康な地域づくり推進と介護予防

1つ目は、健康な地域づくり推進と介護予防です。

人の健康には、身体的要因のみならず心理・社会的要因が大きく影響を及ぼすため、元気で健康な暮らしをめざした予防の政策においては、多面的なアプローチが重要です。

社会の多様化・複雑化、少子高齢化などにより資源が限られた中、健康課題を解決する方策のひとつとして、人と人のつながりによる力、つまり社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)が重要視されています。これまで考えられてきた資本には、金融資本、物的資本、人的資本があります。当研究室では、これらをつなぐ目に見えない第4の資本とも呼ばれるソーシャル・キャピタルに注目した研究を行っています。また生活に沿った視点を重要視しており、QOLに着目したアウトカムの検証を益々進めていきたいと考えています。

生活習慣病の発症予防および重症化予防に向けた研究

2つ目は、生活習慣病の発症予防および重症化予防に向けた研究です。人が行動変容するために、知識の提供だけでは十分条件にはなりえないと言われています。まずは本人による気づきと自己選択に基づいた行動が必要となります。私たちは、保健指導のプログラム開発やエビデンスを蓄積し、社会環境を整え仕組みを作っていくことで、健康格差を縮小し効率的・効果的な予防推進に貢献する取り組みを行っています。そして看護実践力の向上にもつなげていくことを目指しています。これらを、自治体と共同して地域の連携・ネットワーク構築を実践しながら行っています。

地域包括ケアの充実を目指した研究

3つ目は、地域包括ケアの充実を目指した研究です。超高齢社会において病院中心の医療から地域全体で支える医療への転換が進んでいます。地域包括ケアシステムとは、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるようなシステムです。当研究室では、子どもから高齢者まで、全世代の対象者の一生を俯瞰的に切れ目なく捉えることを大切にして、多職種多機関連携を推進するための研究と実践をしています。