◎保健学科の特色
1.保健学科の特色
最近の疾病構造の変化や人口の急速な高齢化に伴い、医療は単に病気だけではなく、広く人びとの福祉や健康までも含めた、より広範な対応を求められています。また医学・医療技術の加速的進歩は医療内容の高度化・専門化をもたらしました。その結果、医療関係職種も細分化されてきました。そこで医療の現場においては、医師、看護婦(士)、診療放射線技師、臨床検査技師などが互いに真のイコールパートナーとして協力できるような基盤を作ることが不可欠です。このような社会的要請の中で、看護系ならびに医療技術系の大学教育の必要性の認識が浸透し、近年国立大学に医療系の学部・学科が次々に設立されています。とくに大阪大学医学部保健学科は、これらの分野で学問的進歩を先導し、その中核を担うことのできる指導的人材の養成を目標にしています。そこで看護学、放射線技術科学、検査技術科学の3専攻を設け、総合的に医療技術科学を教育・研究する場として1993年に発足しました。
大阪大学は遠く大阪の学塾、懐徳堂と適塾にその祖を持ちます。古くから、大阪は学問を町人が育て、公の教育機関をも民間が支える伝統を誇ってきました。大阪町人
の実証の精神、開放的な気風、しかも高度な思索を尊ぶ志は、今も大阪大学に継承されています。
現在大阪大学は、「地域に生き、世界に伸びる」をモットーに、教育機能の再強化、世界的水準の教育研究、生涯学習への対応を3本の柱として、開学以来最大の大学改革を進めています。その中でもライフサイエンスの分野では、大阪大学は世界のトップレベルにあります。連携体制にある周辺の国立循環器病センターや大阪バイオサイエンス研究所も含めて、千里の地は世界のライフサイエンスの一大センターとして発展しつつあるのです。
このような環境で新しく生まれた医学部保健学科では、医学・看護学・工学・理学
・薬学と様々な領域から集まった教官が大学院も含めて新たな総合医科学の教育・研究の場を築こうと意欲に燃えています。学生も単に既存の知識を学習するだけではなく、これから発展するこの新しい分野を自ら切り開いてみようという、進取の気概を持った人材が集まってくれることを大いに期待しています。その一つの試みとして、医療技術者としてすでに社会で活躍している人が、さらに高度な研究・学習を進めるための編入学制度も導入しました。
一方、発展途上国への医療技術協力は国際貢献の一環として現在わが国に強く求められているものの一つです。大阪大学医学部保健学科でも、このような要望に応えるため国際貢献の出来る人材の育成を目指しています。また医療技術の先進国であるわが国に発展途上国の若い医療技術者を迎え、大学と大学院で十分に教育し研究してもらうことは、わが国の国際化の方針にも十分適合しており、留学生を迎える制度も整っています。
2.各専攻の特徴
看護学専攻
放射線技術科学専攻
検査技術科学専攻
3.卒業後の選択肢
阪大医学部
保健学科