本コースは、がん医療に関わる熟練したケア技術とキュアの知識を備え、がん患者および家族のQOLの視点に立った水準の高いケアを提供できるがん看護専門看護師の育成を目指します。教育課程は、一般社団法人日本看護系大学協議会より高度実践看護師教育課程として認定を受けており、がん看護専門看護師の認定審査に必要な単位を取得することができます。
実際のコースの運用にあたっては、大阪大学が、文部科学省のがん専門医療人材を養成する第4期「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」に採択されているため、連携する5大学と協働しながら学習する機会が得られます。
キュアとケアを統合した高度な実践能力本コースの特色は、従来の教育目標に加えて、第4期「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」において課題とされている「がん疼痛」への専門的看護や「がんサバイバー」支援も加えたカリキュラムになっていることです。複雑な痛みのある患者への看護介入や患者会と協働したがんサバイバー支援に必要な看護実践を学ぶことができます。
国際的な視点をもった高い研究の遂行能力臨床現場の課題を解決するためには、研究能力を身に着けることが必要です。コースでは、研究をとおして、諸外国のがん看護に関する国際的な視点を持ち、そのうえで、臨床現場に必要な新しい知見やケア方法を探求し、がん看護の質の向上に寄与できる研究能力を養うことができます。
本コースには、専門看護師共通科目16単位以上、がん看護専門看護科目28単位以上の講義・臨地実習があります。多数ある講義・臨地実習のなかでも、おすすめの授業は「がん看護実践実習Ⅱ」です。
「がん看護実践実習Ⅱ」では、がん看護専門看護師が臨床で行っている活動(実践・教育・相談・調整・倫理調整・研究)を実際に見学することができます。実習を通じて、がん看護専門看護師の臨床判断や看護実践を学ぶとともに、がん看護専門看護師の役割機能について理解を深めることができます。
がん看護専門看護師がん看護専門看護師は、一般社団法人日本看護系大学協議会より認定を受けた高度実践看護師教育課程を修了し、公益社団法人日本看護協会が実施する認定審査に合格することで得られる資格です。資格の認定は、公益社団法人日本看護協会が行っています。
がん看護専門看護師は、がん患者の身体的・精神的な苦痛を理解し、患者やその家族に対してQOL(生活の質)の視点に立った水準の高い看護を提供することを目標に、実践・教育・相談・調整・倫理調整・研究の役割を果たします。本コースを修了することでがん看護専門看護師の認定審査を受けるための単位を取得できます。
2024年3月末までに27名の修了生を輩出し、24名ががん看護専門看護師の資格を取得しています。修了生の多くは、がん診療連携拠点病院等のがん看護領域の第一線で活躍しています。
荒尾 晴惠
山本 瀬奈
がん看護専門看護師は、がん診療体制の中で不可欠な存在となっています。これまで、がん医療の臨床で実践してきた、看護実践をがんという疾患の理解、対象となるがん患者さんや家族の理解を深めることで、高度な看護実践能力を身に着けることができるコースです。第4期「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」の様々な取り組みにも参加することができます。本コースで臨床現場の問題に新たな看護介入を見出す能力を身に着けませんか。