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第一線の教育・研究で検査学の未来を担う

プロフィール

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大阪大学医学部保健学科
横山 雄起
2006年大阪大学医学部保健学科検査技術科学専攻卒業後、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻博士前期課程 (分子病理学研究室) 進学。2008年博士前期課程修了、2011年博士後期課程修了 (博士 (保健学) 修得)。2011年より大阪大学特任研究員 (がんプロフェッショナル養成プラン) として勤務。2012年より米国ウィスター研究所ポストドクトラルフェローとして勤務。2016年より大阪大学特任助教 (がんプロフェッショナル基盤推進プラン) として勤務。2017年より大阪大学助教として勤務。現在に至る。

大阪大学を選んだ理由
歴史のある大阪大学で臨床検査技師を目指す

  • 子供の頃から医学に興味があり、将来は医療関係の仕事に就きたいと考えていました。授業科目では生物が得意で、好きでもあったことから高校の時、医療職の中でも特に生物との関連が強そうな臨床検査技師の道に進もうと決めました。そして、大阪大学保健学科の検査技術科学専攻は歴史があり、研究も盛んで日本をリードする検査技師の養成コースであったこと、また大阪は実家の三重県からそれほど遠くなかった (でも一人暮らしはしたかった) という理由から大阪大学を選びました。

  • 大阪大学で身につけたこと
    生命工学実習で研究の基礎となる知識・技術を習得できた

  • 私の現在の仕事に結び付いている知識や技術の基盤は「生命工学」の講義・実習で身につけることができました。この講義・実習では生物研究を行う上で基礎となる分子生物学や遺伝子工学について学び、実際にPCRや遺伝子組換えなどの実験を行います。

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    この講義・実習のおかげで研究室に入った後の実験もスムーズに取り組むことができたのではないかと思います。また、大阪大学保健学科検査技術科学専攻では、小グループに分かれて大阪大学医学部附属病院の臨床検査部以外の各部門 (薬剤部や放射線部など) の見学と病棟実習 (実際に患者さんと接する) を行う「臨床医学特別実習」のようなユニークなカリキュラムがあり、それらで得た知識や経験も大きいです。

  • 印象に残る授業・実習など
    実習を受ける側から教える側へ

  • 私が印象に残っている授業は「病理組織細胞学実習」です。顕微鏡を見るのが好きだったので、自分たちで組織切片や細胞標本を作製し、染色して観察するという一連の操作を学ぶ実習が楽しかったのをよく覚えています。

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    その後、4年次の特別研究配属でも病理学の教室を選び、今の仕事につながっています。現在は同実習で学生を教える立場となり、自身の経験を生かし、楽しくしっかりと技術が身につく実習となるように心がけています。

  • キャンパスライフの思い出
    アルバイトにレポートに忙しくも楽しかったキャンパスライフ

  • 私は学部の1-3年生の間は豊中キャンパス周辺、その後は吹田キャンパス周辺で一人暮らしをしていました。豊中キャンパス周辺に住んでいた頃は大学近くの居酒屋でのアルバイトに明け暮れていましたが、そこでの出会いや経験は貴重なものとなりました。

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    大阪の中心部へのアクセスも良く、週末によく買い物に出かけたりしていました。大学近くのファミリーレストランで友達と一緒に夜中までレポートを書いたり、カラオケなどで遊んだりと楽しい思い出がたくさんあります。吹田キャンパスに来てからは専門科目中心で高校のように毎日クラスで講義を受けるため、同級生と過ごす時間が増え、実習などを通して、より関係が深まりました。研究室に入ってからは研究室の先輩・後輩と仲良くなり、一緒に旅行に行ったり、忘年会などの飲み会をしたり、その関係は今でも続いています。

  • 大学院に進学した理由
    実際に研究を行うことで研究の楽しさに気付いた

  • 私は元々大学を卒業後、病院で臨床検査技師として働くことを考えておりましたが、4年次の特別研究配属で分子病理学研究室に入り、半年間がん細胞 (乳がんがテーマでした) が何故、どのように浸潤・転移していくのかについての研究を免疫染色によるがん組織でのタンパク質発現解析やPCRによる遺伝子発現解析を通して行いました。研究というものを初めて体験し、非常に面白いと感じました。特別研究は半年間という非常に短い期間でしたので、もっとしっかりと勉強をして、研究というものをより深く行いたいと考え、大学院に進学することを選びました。

  • 今の仕事を選んだ理由
    研究にのめり込んで気付けば大学教員に

  • 今の仕事を選んだ一つの大きな理由は研究が好きだったことです。大学院に進学してどんどん新しいことを学び、実験を行って新たな発見をする度に研究が好きになっていきました。気付けば博士後期課程に進み、海外留学にもチャレンジしていました。

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    海外での研究生活も落ち着いた頃、自身のこれからの進む道を考えた時に、海外で研究を続ける、または帰国して大学ではなく、研究所や企業で研究者として働くという道も選択肢としてありましたが、自分がこれまで学んできたことを教え、後進を育てることも行っていきたいと考え、大学教員の道を希望し、幸運にも今の仕事に就くことができました。

  • 仕事のやりがい
    研究のやりがいは新しい事を見つけた時のワクワク感

  • 研究のやりがいはやはり新しい何かを発見した時、自分の仮説を裏付ける結果が得られた時のワクワク感です。実験はうまくいかない、想像していた結果と違うということが多いのですが (というよりほとんどですが) 、それを解決したり、考え直して解き明かしていくというのも研究の面白いところです。

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    教育という仕事は大学教員という仕事について3年目に入った所で、まだまだ自分が学ぶことの方が多いのですが、講義や実習、大学院生への研究指導を少しずつ経験させてもらい、理解や感謝をしてもらうことでやりがいを感じることができます。

  • 後輩への助言
    検査学の教育・研究をリードする人間になってほしい

  • 大阪大学の検査技術科学専攻の学生は7-8割が大学院 (博士前期課程) に進むという他の大学と比べても高い進学率を誇っておりますが、私のように博士後期課程まで進み、教員や研究者を目指す人は少ないのが現状です。

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    博士後期課程まで進むことはなかなか勇気のいることだとは思いますが、大阪大学のような環境で最先端の知識、技術を学んだ人間がこれからの臨床検査技師教育を担っていくべきだと思いますし、また、充実した研究環境も整っていますので研究が好きであれば是非チャレンジして、この領域の教育・研究をリードする人間になってほしいと思います (私もそうなれるように努力しますので一緒に頑張りましょう)。

  • 貴方にとって大阪大学とは
    人生の3分の1を大阪大学で

  • 学部の4年間、大学院の5年間、職員としての期間も合わせると大阪大学で10数年、人生の3分の1をここで過ごしています。大学に入学した際には想像もしていませんでしたが、切っても切れない場所となりました。大学生活、仕事を通じて様々な人と出会い、成長することができ、大阪大学に入ってよかったと日々思いながら過ごしています。

  • 教員からのメッセージ

    横山先生は4年生の特別研究配属で研究とはどのようなものかを学び、研究が好きであるという理由から博士号を取得した後に海外でポストドクトラルフェローとして活躍され、現在は本学の教員として教育・研究を行っています。大阪大学保健学科では各研究室で最先端の研究活動が行われており、新たな検査法、診断法、治療法などの開発を行う研究者としての基礎も身につけることができます。研究に興味のある人は是非この道を目指して欲しいと思います。