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医学系、工学系の専門的な講義が医学物理士に進むきっかけに

プロフィール

日本赤十字社和歌山医療センター放射線治療科部医学物理課
石原 佳知
2007年大阪大学医学部保健学科放射線技術科学専攻卒業
2009年大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻卒業
2013年京都大学大学院医学研究科内科系専攻博士課程を経て、京都大学医学部附属病院放射線治療科に特定助教(医学物理)として4年3ヶ月間勤務。

大阪大学を選んだ理由
医学と工学両方を横断的に学習できる

  • 進学にあたり、当時はとくに明確な目的意識はなく、ただ単に理系であったため将来的にどこかのメーカーに務められれば良いな、という軽い気持ちで工学部を志望していました。 そんな中、大阪大学の赤本を購入した時、学部説明欄にて放射線技術科学専攻は医学と工学両方を横断的に学習することができ、尚且、国内最先端の内容を学べると記載があり、非常に興味深いと感銘を受け受験を決意しました。

  • 大阪大学で身につけたこと
    研究に対する取り組み方

  • 4回生より研究室配属になり、そこではその後の研究生活のいろはである整理整頓から、文献検索、研究の進め方、研究報告の仕方など様々なことを指導教官、先輩方よりご指導頂きました。

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    大変多くの研究室の諸先輩方が海外、国内の研究施設、病院において世界的に活躍している姿を見ると選択した大学、研究室は間違いなかったなと確信がもてます。
    研究室配属から、大学院修士、博士進学、大学教員を経て、現在、外病院で医学物理士として勤務していますが、研究室配属の初年度が最も大変でした。しかし、ここで教えられた研究姿勢、経験はこれまで大変支えになりましたし、今後もそうであると思います。

  • 印象に残る授業・実習など
    各々の専門分野の現状や課題などを織り交ぜた講義

  • 授業を担当する先生方は工学部や医学部出身の方々が多く、各々の専門分野の内容は非常に興味深く受け入れられました。国家試験を受験するための教科書的な授業はほとんどなく、教授の先生方の専門分野の現状や課題などを授業に織り交ぜた講義は大変刺激的でした。
    放射線治療における講義では世界的な標準や今後の展望、日本の課題に関する内容が印象に残っており、自身が医学物理士として進むきっかけの一つになりました。

  • キャンパスライフの思い出
    勉強にも程よく集中できる環境

  • 学部、修士、博士とキャンパスライフは人よりも十分長く過ごしました。
    豊中、吹田キャンパスは大阪の繁華街から少し離れたところにあり勉強にも程よく集中できる環境です。学食の天津麻婆丼には大変お世話になりました。

  • 大学院に進学した理由
    卒業研究のリベンジと医学物理士への挑戦

  • 大学院に進学した理由は2つあります。一つは学部時代の研究内容があまりに不出来であったため大学院でよりよいものに完成させたかったためです。これは先輩や先生方の助言もあり、自身の研究費獲得にも繋がり、曲がりなりにも形として残すこができました。
    もう一つは、医学物理士になるためには修士、博士において臨床現場での研修が必要不可欠であると感じたためです。

  • 今の仕事を選んだ理由
    物理、工学、医学の複合的で最先端の技術を追求できる医学物理士

  • 医学物理士は主に放射線治療領域において治療計画や治療機器の品質管理を主導的に行うものであるとされています。物理、工学、医学の複合的な知識が必要とされ、また、医療の分野において最もIT化が進んだ領域の一つであるため、常に最先端の技術を追求できる点に大きな魅力を感じました。

  • 仕事のやりがい
    新しいがん治療技術の研究開発と臨床応用

  • 大学卒業後は医学物理士として、教員を経て、病院に勤務しています。

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    ただ、業務内容はどちらも大きく変わらず、放射線治療における治療計画作成、品質管理業務、医学物理に関する研究業務となっています。 医学物理士の仕事はがんを克服するために、放射線物理学、計測学、画像工学、情報工学など多岐に渡る技術が常に必要とされる進歩の早い領域でもあります。それらの技術を臨床応用するための業務、研究開発はやりがいのある仕事であると感じています。

  • 後輩への助言
    ともに医学物理士という職域を確固たるものに

  • 現在、医学物理士認定教育コースが15大学以上に設置され、より洗練された教育体制が構築されています。大阪大学はその中でも非常に優れたコースであることは間違いありません。

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    また、病院において医学物理士の重要性や雇用が確立されつつあります。今後、大阪大学の認定コースのもと優秀な医学物理士がたくさん生まれ、ともに医学物理士という職域を大きく確固たるものにしていけることを強く期待しています。

  • 貴方にとって大阪大学とは
    医学物理士として、研究者としての基礎を育んでくれた場所

  • 医学物理士として、研究者としての基礎を育んでくれた場所です。
    病院、企業、大学など進学、就職先は様々でありますが、年に数回開かれる学会等でたくさんの恩師、先輩、後輩、同級生等と顔を合わせ、意見交換できる機会が多いのもこの分野の良いところであると思います。

  • 後輩への助言2
    研究活動で得たスキルは人生で大いに役立つものとなる

  • 大半の学生さんが大学四回生になり、研究活動をスタートするかと考えます。研究活動はあまり楽しくない時期もあるかもしれませんが、これまでの授業とは異なり自身で内容を決定できる新たな場となります。
    卒業までに他人とは違った自身のスキルを研究を通して見つけることができれば今後の人生で大いに役立つものとなると思います。
    大阪大学ではそのようなスキルを見つけるための環境が大いに整っていると考えます。

  • 教員からのメッセージ

    石原君は、学部で診療放射線技師の国家試験受験資格を取得し、合格しました。学部卒業後、大学院博士前期課程(修士課程)に進み、医学物理士の認定試験にも合格して、無事修了しました。その後京都大学の博士課程に進学し、臨床と研究を両立しながら無事博士号を取得し、京都大学医学部附属病院での臨床・研究業務を経て、現在は日本赤十字社和歌山医療センターで医学物理士として活躍しています。学部生の頃から、物理、工学、医学の複合的な知識が必要とされる医学物理士という職業に興味を持ち、研究を行っていました。現在は臨床現場に立ちながらも研究も平行して進めるなど精力的に活動しています。