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臨床と技術の懸け橋となるために医療機器メーカーへ

プロフィール

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GEヘルスケア・ジャパン株式会社
岩崎 真梨子
2011年大阪大学医学系研究科保健学専攻卒業後、GEヘルスケア・ジャパン株式会社超音波本部にクリニカルアプリケーションとして4年間勤務。同、General Imaging部を経て、現在コマーシャルマーケティング部にて勤務。

大阪大学を選んだ理由
病院設備があり実習の機会が豊富にある大学

  • 高校3年生の時に、様々な大学のオープンキャンパスに参加しました、大学生活で可能な限り幅広い分野の画像技術を学べる機会があるかどうか、という点を見学の目的に参加していました。

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    大阪大学では放射線技術科学専攻という名称でありながら、放射線だけでなく、磁気・音・光などを活用した幅広い最新画像技術の学習・研究の機会があると感じました。また、技師として患者さんの治療に関与できるという点で、放射線治療の分野にも興味があり、病院設備があり実習の機会が豊富にあるという点も魅力的だと感じ、大阪大学に進学しました。

  • 大阪大学で身につけたこと
    研究結果や考察を論理的に説明する力

  • 大学4年生と修士2年間の計3年間を通しての研究活動でした。これまでの専門基礎の内容を踏まえながらも、結果がどう出るかわからない・教科書にも載っていないものを探求するということが、非常に刺激的で、毎日没頭しました。

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    特に、①仮説を立てて ②実験 ③解析 ④考察する ⑤実験系をまた工夫する・・・というサイクルを常に考えながらすすめていく習慣がついたと思います。また、研究結果や考察を論理的に説明できているか? 矛盾しているところはないか? 人に伝わりやすいか? という点においては、かなり厳しく指導していただきました。これは、社会人になり社外プレゼンテーションや顧客への説明、また社内での会議やプロジェクト業務などでも非常に役に立っています。

  • 印象に残る授業・実習など
    実際の人体の画像を自分の手で撮影できた超音波実習

  • 3年生の後半で行われる超音波のスキャン実習は非常に印象に残っています。

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    当時は、まだ技師免許がないので、X線撮影を行うことはもちろんできませんが、唯一、超音波の実習はクラスメイトと腹部や心臓にプローブを当て合いながら、描出の仕方や臓器の解剖や機能について学ぶことができたので、特に印象に残っています。自分でスキャンすることで、その瞬間のリアルな臓器の動き・状態を把握できることに非常に感動しました。当時の指導教授が、心臓の形や動き、病気になった時の変化を詳細に捉えられる超音波の素晴らしさを熱弁されており、私が超音波の道に進むきっかけともなった授業でした。また、超音波の実習には超音波メーカーで働いている方がアシスタントティーチャーとして来られており、機器を自在に扱う姿を見て、就職の選択肢に企業勤務も一つ加わったのも、このころからでした。

  • キャンパスライフの思い出
    バスケットボールでの全国的な交流関係

  • 中・高とバスケットをほぼ毎日行うほど、部活中毒だったこともあり、大学でも体育会系のバスケットボール部に入りました。

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    大学では、7大戦(7つの大学と対戦する大会)なるものが毎年開催されるのですが、女子部員が少ない中、先輩や仲間とみっちりフットワークをこなしたり、男子チームと混ざって練習したりして大会に臨んだのは今でも良い思い出です。また、同じ大学でも異なる学科や学部の人と目標を1つに切磋琢磨できること、練習が終わった後の雑談、大会の時には他の大学の人との反省会という名の打ち上げなど、交友関係が全国に広がったことも貴重な財産となっています。

  • 大学院に進学した理由
    卒業論文のテーマのさらなる追求

  • 4年生からの研究テーマが「超音波を用いた心機能の検討」でした。

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    心臓が全身に血液を送る際には、心臓の筋肉が雑巾を絞るようにねじれながら収縮そして拡張を繰り返していることが知られています。もし、心筋のねじれを止めるとどのようになるのか? 収縮や拡張にどのような影響があるのだろうか?という研究テーマをさらに深く追求したいという思いが日に日に強くなりました。また、心臓の機能に関して日々の臨床現場で活躍している研究者の先生方と学会や研究会を通じてディスカッションを重ねていき、様々な文献を調べていく中で、論文として完成させたいと思うようになったためです。

  • 今の仕事を選んだ理由
    研究で身につけた知識を使って臨床と技術の懸け橋に

  • 大学で学んだ行動サイクル(①仮説を立てて ②実験 ③解析 ④考察する ⑤実験系をまた工夫する・・・というサイクル)を人の役に立てるにはどうしたらよいか?を考えました。

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    医療機器を提供するメーカーでは、お客様が困っていることに耳を傾け、きっとこのようなことで困っているに違いないから、このような提案はどうだろうと仮説を立てて、提供し、医療現場で装置を100%活用していただけるように考えて行動することができるのではないかと思いました。また、昔から厳しい環境に身を投じるのが好きだったこともあり、今しかできないことに全力投球したいと思っていました。当時は、まだまだ未熟でしたが、人に聞く力や人に伝える力を伸ばしながら、臨床と技術の懸け橋となり、使う方の真のニーズを満たすことができる製品を医療現場に届けたいと思い、医療機器メーカーに進みました。

  • 仕事のやりがい
    医療現場の提案を解決し、よりよい製品を提供する

  • 医療現場の先生方からの感謝の言葉が最もうれしいです。特に、日ごろ現場で困っていることを聞かせてもらい、それに対する提案が問題の解決となった時、医療の役に立っていると感じることができます。また、課題が大きいと、一人の力では何もできません。営業や開発、マーケティング、サービス、他の業者の方との連携により、目標を達成できた時もやりがいを感じます。最近では、良い製品を作るために製品のフィードバックや情報収集、学会や自社イベントの計画にも毎日奮闘しています。

  • 後輩への助言
    やり切ったと思えることをとことんやってみる

  • 何かやり切った!と言えるものをとことんやってみてください。それが、その人にしかできないことであり、学生時代にしか得られない経験かもしれません。私も実は、高校生や大学生の初めのころは、将来どうしたいとかあまり明確ではありませんでしたが、大学時代に打ち込めるものがいくつかあったことで、将来どんなことをしたいか? 何を学びたいかなど、好きなことや興味のあること、やってみたいことが見えてきました。

  • 貴方にとって大阪大学とは
    自ら行動を起こせるように成長させてくれた場所

  • 与えてもらうだけではなく、何かを求めて自ら行動を起こせるように成長させてくれた場所だと思っています。大学では、教科書を使用した専門的な学習もありますが、醍醐味は自分の興味のあることを追求することができることだと思っています。勉強、サークル活動、アルバイト、研究、趣味など、できることはたくさんあると思います。その中で、熱血指導してくださった先生、いつでも優しく質問に答えてくださった先輩、学生生活を支えてくれた多くの友人に感謝しています。

  • もう一つの大学ライフ
    長い休みを利用した計画旅行

  • 大学生になってから、夏休み・春休みがそれぞれ2か月近くありました。

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    休みの前には、友人と海外旅行の計画を立て、“旅行のしおり”なるものまで作成し、過密スケジュールを次々とこなしていくのは、本当に楽しい思い出でした。なんでも本気でやるのが性分なので、本屋でかなりのガイドブックを読み込んだり、現地のインターネットを調べて列車やイベントの予約をしたり、準備の時から友人の家に泊まり込み計画を練ったこともあります。見知らぬ世界に飛び込んで、知らないものを見聞きすることが好きになったのは、このころからでしょうか。アルプスの山奥で遭難しかかったり、予定の列車が来なかったりなど、道中のトラブルさえも、今ではよき思い出です。

  • 教員からのメッセージ

    大学は学問の府です。ここでは教科書の丸暗記は要求されません。私達は、自ら問題意識を持ち、自ら考え、解決していくという方法論を学生が身につけるお手伝いをします。一旦、この方法論が身につけば、どんな世界でも生き抜くことができます。「学びのストーリー」で、“①仮説を立てて ②実験 ③解析 ④考察する ⑤実験系をまた工夫する・・・というサイクルを常に考えながらすすめていく”と自ら書いているように、岩崎さんは私達の研究室で見事にこの方法論を身につけてくれました。そして現在、社会に出て周りをけん引していくリーダーとして活躍してくれています。皆さんも“生き抜く力”を大阪大学で身につけませんか?