WT1ペプチドを用いたガンの免疫療法の臨床試験・医師主導治験

介入試験

III/IV期卵巣がん完全寛解例に対するWT1ペプチドワクチン免疫療法の第Ⅱ相臨床試験終了

目的

IGO病期分類 III期 または IV期卵巣癌で外科的切除と術前または術後の(タキサン系 + プラチナ系)化学療法が施行され、画像的に残存腫瘍を認めない症例を対象に、WT1ペプチドワクチンを投与する術後補助免疫療法の有効性、免疫学的効果、並びに安全性を評価する第Ⅱ相臨床試験を行い、historical controlとの比較によりWT1ペプチドワクチンによる卵巣癌症例の無再発期間延長効果を検討する。

主な適格基準

  1. 病理組織学的に上皮性悪性卵巣腫瘍(原発性腹膜癌、卵管癌を含む)と診断されている。
  2. 病理学的にStage IIIまたはIVと診断されている。
  3. 術前、術後、またはその両方で総投与コース3コース以上、9コース以下の(Taxane + Platinum)化学療法(TC療法*1またはDC療法*2のいずれか一方、または、その両者)が施行されている。
    *1 TC療法:Carboplatin + Paclitaxel
    *2 DC療法:Carboplatin + Docetaxel
  4. 登録前28日以内の画像検査*3において残存腫瘍*4を認めない。
    *3 画像評価には、原則、CTまたはMRIを用いる。
    *4 腹膜病変などCT、MRIで残存病変か、瘢痕組織かの判断が困難な場合は、FDG-PETを用いて完全寛解を判断する。
  5. 最終化学療法完了後28日以上56日未満である。
  6. ECOG Performance Status (PS)が、0~1である。
  7. 登録時の年齢が20歳以上79歳以下である。
  8. HLA-A座(遺伝子型)がA*24:02またはA*02:01またはその両者を有する。
  9. 5年以内に他の癌腫に対する手術、化学療法、放射線照射の治療歴がなく、5年無再発である。*但し、carcinoma in situ(上皮内癌)または粘膜内癌相当の病変に対する局所治療は除く。

主要評価項目

2年無再発生存割合

副次評価項目

無再発生存期間、全生存期、免疫学的モニタリング:抗原非特異的免疫、WT1特異的免疫、有害事象発生割合、再発形式、治療完遂割合

治療薬

WT1-trioワクチン 2.0mgを4か所にわけて皮内注射する。

治療スケジュール

治療開始日をDay1とする。Day365まで1年間投与。
合計17回、投与する。

  • Day 85まで2週毎に投与 (7回)
  • Day 365まで4週毎に投与 (10回)

試験状態

2018年12月末にてエントリー終了しました、現在結果の解析中です。