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客観的・正確な鑑定で県民に安心・安全を

プロフィール

神奈川県警察科学捜査研究所
野田 菜央
2017年大阪大学医学部保健学科検査技術科学専攻卒業後、神奈川県警察科学捜査研究所技術職員として勤務、現在に至る。

大阪大学を選んだ理由
高度な専門知識や技術を学べることを期待して

  • 高校の頃、生物科目の中の生理学や生化学分野が好きだったこともあり、将来はそのような分野の知識を活かせるような職業に就きたいと思っていたところ、臨床検査技師という仕事を知り、興味を持つようになりました。

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    そこで、大学の志望校は臨床検査技師の国家資格を取得できる学部のある大学に絞って探していました。臨床検査技師の資格を取得できる大学の中でも、大阪大学は単に臨床検査技師の育成だけでなく医療技術の発展に貢献できる科学者の育成にも力を入れており、高度な専門知識や技術を学ぶことができると思ったため大阪大学を選択しました。

  • 大阪大学で身につけたこと
    複数のタスクを手際よく行う計画性が身についた

  • 大学時代は、日々の講義や実習、課題レポートをこなすのに苦労しましたが、さらにバイトやサークル活動も行っていたため、時期によってはかなり忙しい時もありました。そのため限られた時間をいかに効率的に使うかということを意識していたことが多かったように感じます。そのおかげで物事に優先順位をつけたり複数のタスクを手際よく行ったりするといった計画性が身についたと思います。

  • 印象に残る授業・実習など
    病院実習で医療現場の様子を知ることができた

  • 4年次の後期に行った病院での実務実習が印象に残っています。臨床検査技師の業務は、生化学検査や微生物検査、生理検査等と多岐にわたるため、実務実習の短期間の間に全ての分野の業務を学んでいくのは大変ではありましたが、その分充実した内容であったと記憶しています。

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    特に、生理検査の一種である腹部エコー検査では、技師の方が患者に負担がかからないよう短時間で的確に検査所見を記録しており、その手際の良さに感銘を受けたのを覚えています。病院での実務実習を通して医療現場の様子を知ることができ、さらに大学の講義では教わらないような、日々臨床検査技師として業務に携わっているからこそわかる検査手技のコツ等を直接教わることができたことはたいへん良い経験になったと思います。

  • キャンパスライフの思い出
    サークル活動で様々な学部の人と知り合えた

  • 大学時代はほぼ毎日のように実習があり、課題レポートに追われていた記憶がありますが、その合間に行っていたサークル活動はよく記憶に残っています。

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    私の所属していたサークルは医学部だけでなく学内の様々な学部の人がいたため、文系理系問わず様々な人と知り合うことができ、良い刺激となりました。サークルに行くのはよい気分転換にもなりましたし、同じサークルの仲間たちとバーベキューや合宿に行ったり、サークル以外の時間でもドライブに行ったりしたのは良い思い出です。

  • 今の仕事を選んだ理由
    分子生物学の知識を生かしたくて科学捜査研究所へ

  • 大学入学時は臨床検査技師として病院に就職することを考えていましたが、大学で医学や検査学を学んでいく中で、分子生物学に興味を持つようになりました。そこで、分子生物学に関する知識や技術を活用できる仕事を探していたところ、科学捜査研究所の仕事を知り、大学で学んだ知識や技術を応用して社会に貢献できるという点に魅かれて、現在の仕事を選択しました。

  • 仕事のやりがい
    プレッシャーの分だけやりがいのある仕事

  • 私の勤務している科学捜査研究所の法医科では、事件現場から採取された資料からの体液種の同定やDNA型鑑定を行っています。近年では刑事事件におけるDNA型鑑定が重要視されているという背景もあり、鑑定結果がその人の人生を左右させてしまうことも少なくありません。

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    そのため鑑定には常に客観性や正確性が求められ、プレッシャーも感じますが、その分やりがいがある仕事であると感じています。自分の知識・技術を活かして県民の安心・安全を守ることができるということに誇りを持ち、日々仕事に励んでいます。

  • 後輩への助言
    少しでも興味を持ったものがあれば物怖じせずに挑戦してください

  • 大学は社会人になる前の準備段階であり、社会人になってからどのような仕事に就くのか、どのような生活をしていくのかを選択していく上で重要な地位を占めると考えています。

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    しかし、大学生活の4年間は想像以上に早く過ぎてしまいます。保健学科は必修科目数が多く、特に専門科目の履修が始まると講義や実習の時間が増えて自由な時間が限られてくると思います。だからこそ、少しでも興味を持ったものがあれば物怖じせずに挑戦し、自分の可能性を広げてほしいと思います。

  • 貴方にとって大阪大学とは
    様々な分野の人と出会えた場所

  • 大阪大学には11もの学部があることもあり、様々な人が異なる分野に興味・関心を持っています。そういった人々とサークル活動などを通して知り合えたことは、私にとって良い刺激になったと考えています。また、大阪大学で医学や検査学に関する高度な専門知識や技術を学ぶことができたことには大変感謝しています。大学時代に身につけた知識や技術は、現在の仕事にも活かされており、大阪大学で学んだ4年間は私にとってかけがえのないものとなっています。

  • 教員からのメッセージ

    野田先生は科学捜査研究所にお勤めです。科捜研の女ですね。
    検査での病院実習は基本であり重要です。それとともに大阪大学で特徴的なのは先生が挙げられているように、分子生物学の分野に強いことです。科捜研だけでなく、これは遺伝子診断や分子標的薬など日常の臨床、検査にも入り込んでおり、その重要性は日に日に増しています。新しい分野でもあり体系的な学習要綱といったものはまだ、少ないのですが、本学の教官はこの道のプロであり、在学中にレベルの高い分子生物学に触れることができます。科捜研も含め、法医学関係の重要性は消えてなくなることはありません。このような分野においても大阪大学保健学科では必要な知識、経験を得ることできます。