高校卒業時に大学で学びたいと思っていたことは、放射線のがん治療への応用についてで、全国の大学を調べて大阪大学医学部保健学科の受験を決めました。
現在の仕事内容で必須である研究関連技術(研究の進め方、具体的な実験技術等)を、研究室に配属されてからの研究活動を通じて身につけました。また、X線CTやMRIなどに代表される、授業で学んだ基礎知識も現在の仕事に生かされています。
阪大病院での病院実習は朝から夕方まで緊張感が続く大変な実習で、強く印象に残っています。学生時は講義終了後にアルバイトなどをすることも多いですが、病院実習の後は体力的にきつくて何も手につかなかった思い出があります。
3回生までは体育会ボート部に所属していましたので、月~金曜は基本的に艇庫と呼ばれるいわゆる部室のようなところで仲間と生活していました(毎日、大学と艇庫を往復)。キャンパスライフと呼べるような華やかなものではなかったと思いますが、今となっては良い思い出です。
4回生の時に配属された研究室で実施した卒業研究の関連実験がなかなかうまくいかず、卒業時に達成感がまったく残りませんでした。もっと研究室で研究がしたいという思いが残り、2年間だけ研究を続けることを両親に納得してもらって大学院進学を決めました。
研究室で学んだ分子イメージング技術が、最近、製薬会社における創薬を成功させるための新たな技術として世界的に注目されてきました。自分から能動的に仕事を選んだ事実はありませんが、縁あって現在の会社に就職し、身につけた専門技術を用いて創薬研究を行っています。
研究に携わった薬が、将来患者さんを救うことにつながることは、何にも代え難いやりがいです。また、一般企業での自分の研究活動が大学での研究とは違った側面で専門領域の発展にも寄与すると信じて、やりがいにしています。
振り返ってみると、病院に就職しなかった私の人生においては、研究室での研究活動がターニングポイントになりました。恩師である井上修教授の指導に加え、自分自身が研究活動を全力で行った結果が今の仕事につながりました。何事にも本当に全力で取り組めば、その先の道は自然と拓けてくると思います。
人生(仕事・家族)を決めた場所