将来の選択肢はできるだけ広げておきたいと思っていたからです。看護学専攻で、保健師や養護教員、助産師など、看護師以外の資格も取得できることが決め手でした。全国から人が集まる総合大学であることも魅力的でした。
私は看護の現場ではなく研究職で働いていますが、看護の知識は、わずかながらも自分や親しい人の健康を守るのに役立っています。大学院で先生がおっしゃっていた「面白くない研究なら、自分が面白くしてやるという気持ちで取り組みましょう」というお言葉は、お仕事のやる気を出したいときによく思い出します。
また、地元の友達から、たこ焼きをやくのが上手いとほめられます。
初めて実習服に袖を通したときの高揚感はよく覚えています。特に最初のベッドメイキングの実習では、看護の厳しさを目の当たりにした思いでした。病院実習では厳しくも親身な指導を受け、患者さんに逆に励まされることも多く、実習グループメンバーの絆が非常に深まったのは良い思い出です。
あまりキラキラしたキャンパスライフは送っていませんでしたが、お昼にどの学食に行くか相談したり、授業の合間に部活にいったり、安い居酒屋のコース料理で飲み会をしたり、お菓子を買い込んでお泊り会をしたり、平日に観光地に遊びに行ったり、日常の色々が楽しかったです。
卒論の研究室を選ぶときに、がん罹患数の推計の研究について伺ったことがきっかけです。それまで全く馴染みがなかった分野でしたが、先生が楽しそうにお話しされるのを聞いていると、とても興味がわきました。実際にやってみると楽しくてもっと勉強したいと思い、就職のことも考えた結果、進学を決めました。
がんの疫学研究に携われて、ルーティンの業務よりも研究に重点をおけるので、今の仕事を選びました。研究室の先輩が就職していらしたので、お話を聞けて安心だったこと、見学に行った際の和やかな雰囲気、地元であることも理由のひとつです。
今の仕事では、大規模な集団を長期間にわたって追跡調査して、がんや他の疾患のリスクを調べています。大変貴重な資料で、調査の対象者の方の生涯や、これまで追跡調査に関わってこられた先輩方の歴史を考えると、誠実に研究しなくてはと感じます。私の専門は疫学ですが、統計の先生に相談しやすかったり、生物学の先生にご助言いただけたりと、研究を深めやすい環境なのでありがたく思います。
よく遊びよく学んで、いろんな経験をしてください。院生になっても社会人になっても、それぞれ楽しいことがたくさんありますので、安心してください。社会人になってから学生のときにもっと勉強しておけばよかったと思うという話をきくこともあると思いますが(そしてきっと「いや、さすがにこれは役にたたないだろう」と感じることもあると思いますが)、先輩方の言葉は真実でした。あのときの自分に「ありがとう」と感謝するときがくると思うので、課題をがんばってくださいね。
第二の故郷。大阪大学のいいニュースを聞くと嬉しくて、久しぶりに遊びに行って学食が変わってたりすると少し寂しいです。
私は学部からそのまま博士課程に進学し、9年間を大阪大学で過ごしました。友達がどんどん就職していくなかで、なかなか経済的に自立できない焦りを感じたり、希望するような就職ができるかどうか不安になることもありました。そんなとき、先生や先輩たちにお話を聞いたり、友達とぐだぐだ話したり、家族が支えてくれたおかげで、今は結果オーライと思えます。大学生活、悩んだり迷ったりもあると思いますが、楽しんでください。