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養護教諭に活きる看護学の専門性と困難を乗り越えた自信

プロフィール

県立学校 養護教諭
福井 朋子(旧姓 彼末)
2014年大阪大学医学部保健学科看護学専攻卒業後、県立A中学校に養護教諭として赴任。2017年4月、人事異動により県立B高等学校に養護教諭として赴任し現在に至る。

大阪大学を選んだ理由
看護師の免許を持った養護教諭を志して

  • 養護教諭になりたいという将来の夢があったので、当初は某教育大学の養護教諭養成課程に進学するつもりでした。高校1年生の担任の先生との面談の時に「今の学校現場は慢性疾患だけでなく、多種多様な特性を持った生徒の対応が必要とされるので、看護師の免許も取得できる大阪大学を目指してみてはどうか」とアドバイスいただいたことで大阪大学への進学を目指すようになりました。(私が入学した当時は4年間で看護師・保健師・養護教諭の免許が取得できました。)夏休みにオープンキャンパスにも参加し、看護学専攻の先生と直接お話しをさせていただいたことで、看護学に加えて小児の授業で特別支援教育についても学べることが分かり、より気持ちが強くなりました。

  • 大阪大学で身につけたこと
    生徒との関わり、教員や関係機関との連携で活きる看護学のすごさ

  • 4年間の大学生活を経て現在養護教諭として勤務していますが、生徒との関わり方だけでなく他の教員との連携にも授業や実習で身につけたスキルが生かされています。

    保健室のベッドメイキングは今でも基礎看護の実習で叩きこんでもらった手法で行っていますし、体調不良を訴えて来室した生徒のことをより深く理解するために、体温の測定だけでなく、状況に応じてSPO2や血圧などのバイタルを測定してより多くの情報からアセスメントしています。聴診器を使う前に自分の手のひらで聴診器をあたためてから測定することなど、細かいけれど大切な事をたくさん学ぶことができました。

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    また看護学を学べたことで、医療機関に搬送する前に学校で何をしておけばよいかという視点も培われました。また、保健室で気になることがある生徒がいれば、担任・教育相談担当・保健主事・スクールカウンセラーなどと連携してチームで支援できる体制を整えます。1人で抱え込まず「報告・連絡・相談」の大切さも病院実習を通して学ぶことができました。

  • 印象に残る授業・実習など
    ハードだけれど刺激的で楽しい毎日

  • 基礎看護の校内実習の洗髪のテストに合格できず、友達に手伝ってもらって何度も練習したのがとても印象に残っています。

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    いざ病院実習がはじまり、実際に患者さんの洗髪をさせていただくことになった時は「あの時不合格になっておいて本当によかった」と思いました。出来るまで徹底的に教えていただけたおかげで今でも手技はしっかり覚えています。また看護の授業だけでなく、教職の授業も取っていたので、1・2回生の時は5・6限に教職の授業がありましたが、そこで普段接することのない他学部の教員志望の学生と交流できたことも良い経験になりました。看護の病院実習の合間に教育実習に行ったり、かなりハードな4年間でしたが、毎日刺激的でとても楽しかったです。

  • キャンパスライフの思い出
    元気をもらう一生の友達

  • 大阪大学に入学して本当によかったなと思う一番の理由は一生の友人が出来たことです。授業終わりにUSJに直行して遊び倒したり、バイトの夜勤明けでフラフラのまま木曜1限の体育でソフトボールをしたり、無茶をしたことも良い思い出です。

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    阪大病院での実習は心身共にとても追い込まれる日々でしたが、同じ実習グループのメンバーの支えがあったからこそ乗り越えることができました。実習終わりに担当の先生交えて打ち上げに行ったり、グループのメンバーとディズニーランドへ行ったり、振り返れば楽しい思い出でいっぱいです。

    大学の時に仲良かった友人には今でもちょくちょく会ってランチをします。看護師・助産師・養護教諭とそれぞれの分野で活躍する友達の話はいつも刺激的で、「自分もまた明日からがんばろう」と元気をもらう事が出来ます。

  • 今の仕事を選んだ理由
    いつも優しく、誰にでも慕われる保健室の先生になりたくて

  • 高校1年生の時に「将来何になろう」と初めて仕事について意識しました。人と関わることが好きだけれど、人前に立って大勢の前で話をしたりするのは苦手な自分にとってどんな仕事だと毎日楽しく取り組めるかを考えた時、1番最初に頭に浮かんだのが通っていた学校の保健室の先生の姿でした。

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    いつも優しくて誰にでも慕われるその先生の姿をみて「保健室の先生になればきっと、私も毎日楽しく笑顔で仕事ができる」と思い、養護教諭になるという目標ができました。4回生の時に母校で行った教育実習では教室に入れず涙を流したり、昼から何とか保健室に登校したりと自分が在学時に知ることのできなかった保健室の実態を知ることができました。保健室という場所は無縁なまま卒業する生徒もいれば自分の拠点となっている生徒もいます。どんな生徒にとっても卒業後の人生に+αになるような情報を発信したり、関わりができることを目標にしています。

  • 仕事のやりがい
    成長する生徒の姿に励まされる日々

  • 毎日が出会いの連続でとても充実しています。顔を合わせるのが2回目・3回目となると「あれから体調どう?」「最近頑張ってるね」という声かけが出来るようになるし、少しずつ生徒も心を開いてくれて日に日にいろんな成長が見えるようになり、それがとても嬉しいです。

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    昨日は無言で保健室を立ち去った生徒が今日は「ありがとうございます」と一言添えて退室した、この小さな変化が私の頑張りのもとになっています。日々生徒と関わる中で「こういう時にはどうしたらいいだろう」と疑問が生まれ、それを解消する為に養護教諭研究会主催の研修会に参加したり、近隣の学校の養護教諭の先生方と研究チームを組み研究を進めています。H29・30年度は性的マイノリティについて研究を進め理解を深める事が出来ました。日々勉強のこの仕事はいつまでたっても初心を思い出させてくれます。

  • 後輩への助言
    迷っているのならオープンキャンパスに参加してみよう!

  • もし養護教諭志望で教育学部の養護教諭養成課程やその他の学部と迷っているという場合はオープンキャンパスに参加することをオススメします。大阪大学の看護学専攻は養護教諭1種の免許が取得できますが、授業の内容としては9割が看護の内容です。

    私の代は教職を選択していてもほとんどの学生が一旦は看護師・助産師として病院への就職を希望していたので、新卒すぐ養護教諭になりたかった私は教員採用試験の勉強はほぼ独学でした。養護教諭として働く今は看護の授業で学んだ知識や技術がとても役に立っているので私は大阪大学で看護と養護教諭の両方の免許を取得して良かったと思っています。

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    大学は入学がゴールではなくスタートだということを忘れず、入学後に本当に自分がやりたいことが出来るのかをはっきりさせた上で志望校を決定するほうがより有意義な大学生活を送れる事間違いなしです。

    大阪大学への受験を考えている人はぜひ挑戦してほしいと思います。私も受験勉強中は「受からなかったらどうしよう」と不安な日々でとても辛かったです。けれどある時から「自分の限界まで努力を重ねて受からなかったらそれは仕方がない」と思うようになり少し楽になりました。自分が後悔しないように今出来ることから始めてみてください。

  • 貴方にとって大阪大学とは
    受験を乗り越えたことが自分の自信につながる

  • 大阪大学の受験を乗り越えたことは今でも自分の自信に繋がっています。入学後も日々の課題や病院実習・教育実習、教員採用試験といくつもの壁がありましたが、阪大の受験を乗り越えたおかげか、自信を持って挑むことができました。大阪大学に入学し多くを学び卒業できた事が自信を与えてくれました。実際の大学生活は入学することがゴールではなく、スタートで、自分が選んだ「看護学」について深くいろいろな角度から勉強出来たことは今の養護教諭という私の仕事にも生かされています。また大阪大学で共に切磋琢磨した仲間は今でも私の心の支えです。

  • 教員からのメッセージ

    健康を支える身近な存在として養護教諭になることを夢見て、高校の担任の先生のアドバイスから看護師の免許を持った養護教諭を目指して大阪大学に進学されました。ほとんどのクラスメイトが看護職として就職・進学を考える中で、看護の授業に加えて養護教諭の免許申請に必要な科目を履修するのはとてもハードである一方で、教職を志す他学部の仲間との出会いもあり、密度の濃いかけがえのない学生生活を過ごすことができていると思います。看護という専門性、鍛えられた確実な技術、ハードな学生生活を乗り越えた自信が、現在の養護教諭としてのやりがいにつながっていることをうれしく思います。